歯医者さんでは歯周病の検査を初めにしています
プローブという道具(25gの力)で歯と歯ぐきの間に入れます。歯ぐきからの出血と深さから、歯肉炎、歯周炎(軽度・中等度・重度)を診断します。レントゲン写真も必要です。
歯肉炎とは:歯ぐきからの出血のみで歯周ポケッ
トは3mm以下
歯周炎とは:歯ぐきからの出血と、歯周ポケット
は4mm以上 骨に欠損がある
歯肉炎
プラークがついて72時間後(3日後)から炎症がおきます
治療:ホームケア(歯ブラシ、フロスでの清掃により1週間から10日で歯肉の炎症は治ります)、歯石除去・1~3回3千~6千円終了後半年~1年に1度の定期的な歯科医院でのメインテナンスを
・歯の周りについた細菌を2日に1度、確実に除去でき、蓄積させなければ年齢に関係なく歯は守れるはずです。ご自身で歯を残すために、頑張って日々のお手入れを続けるために、歯科医院の定期健診を利用してくださいませ。
・細菌はネバネバ物質を産生して細菌同士が絡み合った集落を作ります。このフィルム状の膜をデンタルバイオフィルムと呼びます。排水溝のぬめりも同じこと、細菌によるバイオフィルムです。
・細菌(バイオフィルム・歯垢・プラークともいいま
す)は3日目から急増します。1人では悪いことはせず集団で悪さをするのです。バイオフィルムが成熟するには3か月。
*舌や歯ぐき(粘膜)は代謝が起きて剥離(剥がれ落ちます)します。
歯は代謝性がないので細菌はくっついて集団化しています。歯の表面だけ自力ではがれないので「バイオフィルム(歯の表面に寄り集まってスクラムを組み塊を作ることによって攻撃から耐えている物質)」と呼ばれています。
*まず歯の表面にペリクル(唾液中の糖タンパクが作る薄い層)が30分で沈着し、そレンサ球菌がくっついてコロニーをつくります。そこからさまざまな菌が生態系を形成します。
*歯磨き前に熱いお湯でぶくぶくうがいを30秒でムチン(たんぱく)が凝固し、バイオフィルムが落ちやすくなるそうです。
・2日に1度、すべての歯の面を(歯の間まで)きれいに清掃することは、毎日、歯の表と裏をうわべだけ清掃するよりも効果的である(Dr.アクセルソン)
・つまり歯ブラシだけでは届かない場所があります。すべての歯の面を磨くには、フロス(歯の接触 面をこする糸)・ 歯周病の方は歯間ブラシ(楊枝に毛がついたような形のもの)が必要です。
・虫歯菌、歯周病菌はうつります。生まれたばかりの赤ちゃんにはいませんが、大人からスプーンでもらっているうちにうつるようです。2~3才まで気をつけるに越したことはありません。
・歯石はプラークが石灰化したもの
*歯肉縁上歯石(白っぽい歯石):構成成分:リン酸カルシウム結晶(1.ブラッサイト、2.リン酸8カルシウム、3.ハイドロキシアパタイト、4.ウィットロッカイト)歯ぐきの上にできる唾液由来の成分が沈着したもの。つまり唾液の塊。75%がリン酸カルシウム、その他(炭酸カルシウム、リン酸マグネシウム、たんぱく質)ザラザラしているので細菌の足場になるため歯医者さんで取ってもらいます。
*歯肉縁下歯石(黒い歯石):歯ぐきの中にできる歯石は、歯周ポケット内で出血した赤血球のヘモグロビンに由来する。つまり歯ぐきから出る浸出液の塊。ここにいる細菌の出す毒素が炎症を起こし、歯周病の原因になります。
・磨かなければ2週間で細菌叢は元に戻ります。
遺伝といえる人は20%(急激に進行する人10%
起こりにくい人10%)8割はプラーク(バイオフィルム)がつきっぱなしの慢性歯周炎。人間だけがプラークに打ち勝つ術(歯磨きによるプラークコントロール)を持っている。歯周病の治療は何よりもプラークコントロールが優先。磨けているか、病気になっていないかを見てもらうために歯科医院へ来る方を1人でも多く作るには知識、情報の提供をコツコツ続けるしかない。そして歯科医院でなければできないやる気、継続、必ず良くなる歯ブラシ指導をすること。メディアは治せない。病気が始まりそうな部位を指摘、取ってあげること。取ってきれいに磨いても5秒でバイオフィルムは形成されるので日々自分でつかないように努力してもらう。病気があるかないかを見てもらうための歯医者。(歯周病の講演メモより)
感染→他の生態に侵入、住みつき病気を引き起こす。
炎症→細菌と免疫との闘い
伝播→人→人 疾病が伝達
歯周ポケット深さ3mm以下または歯槽骨吸収度30%未満
治療:ホームケア(自身での清掃)と歯石除去(麻酔をするかもしれません)1~6回一回3千円位
維持するためには定期的な3~6か月に1度の歯科医院でのメンテナンスが必要です。
歯周ポケット深さから4~6mmまたは歯槽骨吸収度30~50%
治療:ホームケア(自身での清掃)と歯石除去(麻酔をします)5~10回一回3千円位
歯を失わないために真剣に、歯科医院と二人三脚で治していく必要があります。維持するための定期的な1~3か月に1度の歯科医院でのメンテナンスが必要です。
歯周ポケット深さ7mm以上または歯槽骨吸収度51%以上
治療:ホームケア(自身での清掃)と歯石除去(麻酔をします)10回位一回3千円位、ぐらぐらして助けられない歯は麻酔をして抜きます3千円位
助けられる歯をどのくらい守れるか、家でのお手入れがかなり重要になります。これ以上悪くしないことを目標の、定期的な1~3か月に1度の歯科医院でのメンテナンスが必要です。
*歯科医院では1年毎に口腔内写真を、2年毎にレントゲン写真を撮らせて頂き確認しています。
*急性炎症の時は触ると周りの組織がダメージを受けるので、まずは薬になると思います。急に腫れそうな歯がある時はその前に歯科医院へお願い致します。
*歯周炎の治療をした後は、歯がしみること(知覚過敏)もあります。その時は歯肉の治り(上皮が6~10日、結合組織が10~21日)を待ってからしみ止めを塗ります。もっとも歯ぐきの中の組織が治るのは3か月後です。
*根っこの股の部分が歯周炎の時は、残していくとしても結果があまりよくないのも事実です。外科処置なしでは治癒は難しく、外科処置でも完全に歯石を取ることは難しく、治療法は状態により、歯科医師により異なります。再生療法(自費治療)も勧められるかもしれません。
*糖尿病の方は歯周ポケットの中を触る時は1回で終わらせるなど、治りが悪い事を考えた治療が必要です。糖尿病の方は日頃から歯磨きを丁寧に行って頂き歯周病の悪化を防いでくださいませ。
情報の補足:歯周病のブログへ