国立がん研究センター中央病院 歯科医長 上野尚雄先生のご講演
歯科衛生だより会報記事より
抗がん剤治療では多くの場合口腔粘膜炎が発生するが、痛んだり感染を引き起こしたりすると治療の妨げにもなりかねない。口腔内を清潔に保てば感染は防げる。痛みをコントロールするために様々な薬がある。一例として「エピシル」は口の中に保護膜を作り接触による疼痛を緩和する保護剤。
残された時間が延びても口内炎が痛くて食べられない、しゃべることができないのでは治療の意味も半減してまう。支える医療が必要です。QOL(生活の質)の向上は延命にもつながります。
こうした対応についてまとめた最新版「全国共通がん医科歯科連携講習会テキスト」がWebで見られます。歯科衛生士にも見て欲しいとのこと。
項目ごとはこちらです。一般の方もご興味がありましたら情報としてお読みくださいませ。
最後の項目には口腔がんの手術写真の掲載があります。苦手な方のためにお伝えしておきます。
県立静岡がんセンター歯科口腔外科部長、故大田洋二郎先生のコメントのご紹介より
・口からものを食べたエネルギーがないと戦えない
・最後まで自然な形で食事をすることは患者さんの尊厳を守る
・がん患者の口を守り抜く。最後まで生活の質を高く
口から食べることは体の大きな回復につながり、食べる喜びは病気をはねのける気力になると心から思います。口は健康の源です。